ディデゥ・オ・シャスタ -十五の宴-



冴え渡る空の下 宴がはじまる

十五の歳を数えた 森の子らが踊る
「生まれ育った里を出で 竪琴を鳴らせ」

悠久の時を超え 歌い継がれしうたの
その意味を知る者こそ絶えたとしても

歌い奏でる 言の葉には 風が宿ると知っているから
わたしは歌う 謳い伝えよう
あなたの愛した楽園に 「幸いあれ」 と


遠い遠い日の約束を 母に聞いたはいつの日か
夢枕の横顔は ひどく寂しげでした

フィトゥアルのささやきが あなたに届くのならば
わたしの耳は 目は その御心のままに

歌い奏でる 言の葉には 風が宿ると知っているから
わたしは歌う 謳い伝えよう
夢紡ぐひとへ あなたに 「幸いあれ」 と


春告げるその花が やがて散っていくように
あなたがもう 其処に居ないような気がしても


それでも わたしは行くのだろう
あなたが其処に居るとしたら あなたに笑っていてほしい
フィトゥアルの調べ 楽園に響け…

"Tracier lis ryue mor ta curria do, ye tracier ta curria do tous lif."
   -広き世に貴女のうたを伝え広き世を貴女へ伝えよう-

歌い奏でる 言の葉には 風が宿ると知っているから
わたしは歌う 謳い伝えよう
あなたの夢みた 楽園の名前を



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