碧の誓い


すべてが紅く染まる 深い森の追憶
二度と戻れないのに 鮮やかに蘇る

いつか風は絶えて 空が剥がれ落ちる
構いやしない それですべてが終わるというなら

奏でる音を忘れた 沈黙のフィトゥアルから
それでもまだ響くのは 歌えなかったあのうた

何処まで走ったって 棄てられやしない
なんの意味もない この旅路の果てで
ただ彷徨わせたこの指先に
そっと触れた 君の鼓動

その瞳に映る光を知りたいと ただ思った


咲き初める花のように 夢を謳う君は
陰りゆく世界へと それでも手を伸ばして

いつか花は朽ちて 明けない夜がくる
構いやしない けれど ああ 君は泣くのだろうか

声なき叫びが響く 絶え間ない呼び声のように
行き場のない絶望に 押し潰される前に

縋る手をほどいて ただ歩き出す
これ以上傷つけてしまわぬよう
底知れぬ夜も 幾多の嘆きも
君は知らなくていい

君を護るそのために 僕の音はここにある


運命も意味も 約束も要らない
ただひとつ この空に誓う
君の微笑むこの夢を 守るため
僕は歌うよ

「傍にいて」なんて 望まない
どうか笑っていてほしい
それが それだけが僕の願い
ただひとつの誓い


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