epilogue-花薫る風-


夢が醒めて わたしは還った
かすかに残る 音色を抱きしめた


朝焼けに染まる街角で
竪琴を胸に抱いて あなたは歌う
約束のストーリア

それは夢のように
君が此処にいたことを誰も知らない
晴れた空の下
フィトゥアルはただ穏やかに
名もなき歌を謳う

花が咲くこと 風そよぐこと
それは あなたが生きていること
耳を澄ませば うたが聴こえる
あなたの描く空へ手を伸ばし歌おう


陽だまりの優しい窓辺で
近くて遠い日々を あなたは綴る
約束のストーリア

春告げる花を あなたも
その手に抱いているのでしょうか
永い永い物語を もうすぐ綴じるの
あなたに聴かせたい

碧く澄んだ空 森のさざめき
それは あなたが生きていること
瞳を閉じて 今もそこにある
あなたを照らす星たちを想い眠ろう


時は過ぎて 風は凪いで
あなたの声は もう聴こえないけれど

綴られた物語を
あまねく誰もが知るのだろう
星を巡る風のように
謳われた名前は 消えることはないから

花の薫りを連れた風が
貴方の頬をかすめるとき
思い出して きっとそこにある
一つの世界 その名前を

lalala...
名づけられた楽園の物語は続いていく
眠れぬ夜を 独りたゆたう
貴方にいつか届く その日まで


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