かたちなきもの


名前も形も持たないけれど ボクはここにいる どうして?
みんな通り過ぎていくから ボクはひとりぼっちだ

声も言葉も持たない だから 聴こえない 届けられない
優しいあの子が泣いているのに
ねぇ どうすればいいのかな

苦しいことも 哀しいことも みんな 持っていくから どうか
キミにわらってほしいから だから 
どうか キミだけは

温かい掌も 優しい歌声も ねぇ ほんとうにここにあったの?
ボクは 思いだせない なにひとつも
だから 誰か教えて…


こんなに大切なのに ボクは キミのために何ができる?
キミが望むのならば ただ 穏やかな眠りをあげるだけ

あの子が愛したこの楽園が
こんなに枯れていくのは みんな ボクのせいなの 知ってる
ねぇ どうすればいいのかな

きれいな花も 碧く深い森も やがて 死んでしまうのだろう
キミにわらってほしいのに
生まれた日から 願っているのに

温かい掌も 優しい歌声も キミの望み もう なにひとつ
届けられやしないよ 与えられないから
だから ねぇ 誰か ボクを止めてよ…


-Ci ryuer tous lif.-
(あなたにうたを捧げましょう)
-Learsec lis syn tous cis ryuen, dier.-
(どうかその心を、僕の音に預けてください)

あなたが奏でる音を
あなたがひとり連れ去る痛みを


いのちの震える音色がした
それは それは 懐かしい 子守唄

温かい掌も 優しい歌声も ああ ちゃんとここにあったね
ボクは 思いだせたよ 生まれてきた意味を その意味を
だから さよなら…

どうか どうか 泣かないで 言葉は 声は 届かなくても
星を巡る風にのせて キミの夢をうたうから


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